大阪をはじめとする日本の大都市は、その多くが海抜ゼロメートル地帯に位置しています。地下街やターミナル駅には日常的に多くの人が集まり、もしそこで大規模な津波が発生すれば、甚大な被害が想定されます。
研究の対象としたのは、大阪梅田にある国内最大規模の地下街のひとつです。1日あたり約40万人が利用し、平日18時のピーク時にはおよそ12,000人が地下街内に滞在しています。南海トラフ巨大地震が発生した場合、このエリアには2メートル以上の津波浸水が想定されています。
しかし、周辺の接続ビルに垂直避難できる人数はわずか約1,700人。すべての人を建物内に収容することは物理的に不可能です。そこで求められるのが、地下街から地上へ脱出し、さらに浸水区域の外まで水平に避難する広域的な避難計画です。
あらゆるシナリオを実地訓練で試すことは現実的に困難なため、コンピュータ・シミュレーションが重要な役割を果たします。